4年ぶり優勝ならず-全日本女子ユース選手権
浦和レッズレディースユースの2013年度最後の公式戦が終了した。選手たちの首には銀メダルが掛かっていた。1月3日から大阪のJ-GREEN堺で行われた、『JOCジュニアオリンピックカップ第17回全日本女子ユースサッカー選手権大会』。前々回までは全日本女子ユース(U-18)選手権として開催されており、浦和レッズジュニアユースレディースとして、2007年度の第11回大会で3位、翌第12回大会で準優勝、13回大会で初優勝を果たしている。2年間の関東予選敗退を経て、12年度の第16回大会にレッズレディースユースとして出場。準決勝で日テレ・メニーナと対戦し、惜敗。3位決定戦を制している。今大会では4年ぶりの全国制覇を目指していた。1回戦で愛媛のトレーフルFC・fille、2回戦で兵庫のプラセル神戸に快勝。準決勝ではジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18に前半0-0とゴールをあげられなかったが、後半3点を入れ、決勝に進んだ。決勝の相手、日テレ・メニーナは本大会で3連覇中。日テレ・ベレーザにも登録され、なでしこリーグでほぼレギュラー出場している選手5人を擁していた。レディースユースとは、関東女子リーグでもライバル関係にあり、今シーズンの対戦成績は1勝1敗。順位ではレッズが2位、メニーナが3位で終わっている。7日13時から行われた決勝は、序盤から、ミスの少ないパスワークでメニーナにボールを支配され、押し込まれる時間が続いた。それでも決定的なシュートは打たせないでいると、20分過ぎから相手陣内に攻め込むようになり、ゴール前での決定的な場面も作った。しかし、そのチャンスに決められず、逆に守備が手薄になったところを突かれ、25分に失点。さらに反撃のために攻め上がった直後、カウンターから2点目を失った。後半のレッズは、前線に投入された清家貴子がターゲットになり、多くのチャンスを作った。互角以上の攻防で、1点を返せば完全に流れをつかめるという展開だったが、31分にセットプレーで失点。さらに2分後、左から入れられたクロスに合わされ0-4とされた。1点を狙ってレッズは最後まで攻撃の姿勢を崩さず、39分と45分に清家が決定的な場面を作ったが、メニーナの堅い守備に阻まれ無得点に終わった。試合後の表彰式では、大会のフェアプレー賞にレッズレディースユースが選ばれた。また表彰式を終えた後、高校3年生の石井咲希、大戸遥可、中村みづき、吉越ひかりの4人に、後輩たちから花束と色紙などが贈られた。【対人の強さもつけていきたい】下山薫・レッズレディースユース監督「悔しいですが、力の差はあったと思います。序盤は失点しないように粘り強く戦えていましたが、20分すぎからそれができなくなりました。そのときに、失点してしまい残念です。攻めているときのリスクマネージメントに課題があって、メニーナのようなチームだとそこを突かれてしまいます。それを修正しきれなかったのが失点の原因だと思います。後半は、攻撃に重点を置くようにして、ボールを持てる時間もできましたが、決定的な場面を防がれてしまいました。来シーズンに向けては、育成年代なので、個々の能力を向上させる中で、基礎的な技術に加え、対人の強さも身に付けていきたいです」【来年こそ金メダルを】大戸遥可・キャプテン「1年間の集大成となる大会で、1、2回戦では、ほぼ自分たちのやりたいことができました。ただ準決勝でも前半はうまくいかなかったですが、後半立ち直って、決勝までつなげることができたのに、一番大事な最後の決勝で自分たちのサッカーができなかったのが悔しいです。自分は6年間やってきて、中1のときはまったく試合にも出られませんでしたが、中2からはU-15の大会で優勝したり、U-18の大会でも優勝を味わうことができました。高校3年の最後に、また優勝を味わいたかったのですが…。でも6年間、楽しかったです。後輩に花束や色紙をもらったときには、試合に出られなくても後押ししてくれた人たちのことを考えて泣いてしまいました。昨年は銅メダルで、今年は銀だったので、来年こそ金メダルを獲って欲しいです。後輩たちには、強い相手にも苦手意識をなくして頑張ってもらいたいです」(清尾淳/MDP編集)