2020プレナスなでしこリーグ1部-第16節-VS-愛媛FCレディー-2

2020プレナスなでしこリーグ1部第16節vs愛媛FCレディース試合後コメント

【森栄次監督】

「大事な一戦、最後の優勝が決まるという一戦でした。選手は少し緊張気味なところもありましたけど、そこをリラックスさせて、集中してゲームに入れたと思います。前半から得点できたので、流れ的には非常に進めやすかったというところもありますし、中盤でのディフェンスもいいところでボールを奪えていた気がします。全体的に、我々にとっては締まったいいゲームだったと思います。

スコアも5-1ということで、1失点してしまいましたけど、みんなが落ち着いて、よくがんばってくれたと思います」

(就任2年目での優勝ということで、チームの成長という点で感じているところは?)
「目指しているサッカーというのは、ポゼッションを中心にしてやったつもりでいます。それが本当にうまいように選手にはまってくれたというか、非常に良かったと思っています。1年目はなかなかぎこちないところもありましたけど、2年目になってみんなのやることがはっきりしたというか、みんな一生懸命それにトライしてくれて、いい結果が出てきてくれたので、この2年間は私にとっても非常にやりがいがありました。順調過ぎるくらい、1年目、2年目と、いいように積み重ねてきていると感じます。選手一人ひとりがどういうことをやればいいのかというところが明確になったのが、成長につながってきたと思います」

(今日の試合でもあった、センターバックが前に押し出していく修正の仕方が、この2年間前向きに物事を解決していこうとしていたことの象徴だったと感じたが?)
「センターバックの2人に関してはすごく注文が多くて、一つのことだけでなく、同時に二つのことをやりなさいと常に要求しています。前に潰しに行く、プレスバックを待つ、いろいろなところのスペースを見る、そういったことをすごく強調させています。今日に関しては長船(加奈)がわりと前の選手やスペースを潰しに行くということで、高い位置でボールが取れていたかなというところもあります。それが我々のやりたいサッカーで、相手陣内でずいぶんできていたのではないかと思います」

(浦和レッズレディースが前回優勝してからは日テレ・東京ヴェルディベレーザの優勝が続いており、昨シーズンの皇后杯でも日テレとの距離感という話をしていたが、今シーズンで直接対決も含め、上回ったのはどんなところが大きかったか?)
「正直に言うと、個の部分では劣っていたところもあるという印象はあります。そういうところをグループで崩しにいく、あとは運動量が増えたというところもあると思います。みんなで一つのボールを追っていくという作業、それが上回った要因じゃないかと思います」

(今日の試合は今シーズン最多の5得点、しかも前半4得点というのは初めてだった。早い時間に先制しても容赦なく点を取りに行ったと思うが、それは今日の浦和駒場スタジアムの観客数の多さ、あるいは優勝が懸かっているというところが関係したと感じているか?)
「とにかく点を取りに行こうというのはどの試合でも言ってはいますけど、なかなか思うようにいかない試合がたくさんあります。しかし今日は前からしっかりプレスをかけていくというところがうまくはまり、わりと早い時間に1点が取れたので、1点を取ったら2点目、3点目を取りに行こうというのはずっと行っているので、今日はそれがうまくいったかなと思います。あとは優勝も懸かっているし、これだけのファン・サポーターのみなさんが来てくださったというところで、みんなが後押しされたのではないかと思います」

(安藤梢選手を「持っている人だ」と話していたが、どういうところが持っていると感じているか?)
「以前もFIFA女子ワールドカップで優勝していますが、ああいうところでその場にいる、それだけでも持っている選手だと私は思っています。この間の伊賀FCくノ一三重戦、その前のINAC神戸レオネッサ戦でも決勝点を決めたというところで言うと、頼れる姉御肌というところがあるので、そういうところが持っているかなと思って話しました」

(就任当初の会見で、彼女たちのがんばり、ひたむきさが報われるような結果、サッカーをしたいということを話していた。もう少し時間がかかると思っていたが、ここまで急激に成果を出せたのは、具体的にどういうところが要因だったのか?)
「正直、私もこの2年間でここまでできるとは思っていませんでした。もう少しかかるかなと思っていましたけど、基本的には選手をどうやって光らせようかということしか考えていないので、それが彼女たちにストレートに伝わったというのもあります。グループで、みんなでやるということがいい方向に向いたのではないかと思います。それがこういう結果になってくれたことが非常にうれしいです」

(ファン・サポーターとしては昨シーズンの皇后杯の決勝で敗れた悔しさもあると思うが、皇后杯への抱負を)
「正直に言ってまだ皇后杯のことは考えていなかったんですけど、せっかくあそこまで行ってあの観衆の中でプレーし、そこで勝つことができなかったので、おそらく選手もその思いを持っていると思います。決勝まで行けるいい準備を、これからしていきたいと思っています」

「今年1年、新型コロナウイルスの影響の中でなかなかうまく報道面で伝わらないところもあり、イレギュラーなシーズンで正直やりづらいところもありましたけど、みなさんに本当に後押ししていただきまして、ありがとうございます。いい結果が出て、非常に喜んでいます。これからも浦和レッズレディースをよろしくお願いいたします」

【安藤梢】

「優勝が懸かった大事な一戦でしたが、自分たちがやってきたことに自信を持っていつも通りの一戦という気持ちでみんなで一つになって臨みました。結果として得点もたくさん入って、浦和駒場で優勝できましたし、ファン・サポーターの前で優勝できたことはすごくよかったと思います」

(選手みんなが「楽しい」という森栄次監督のサッカーで優勝という結果を出せた意味についてどう考えているか?)
「昨年、森監督になってサッカーも変わって、良いサッカーができるようになったという評価はもらっていましたが、やはり優勝しないといけない、結果が必要だとすごく感じました。今シーズンは、内容だけではなくて難しい試合でもしっかり勝ち切るという意識を持ってみんなが戦えていたと思います。そういう勝負強さが付いたと思います」

(セレモニーで森監督から花束を受け取ったが、森監督への思いはどうか?)
「森監督は何度も(日テレ・東京ヴェルディ)ベレーザで優勝経験がある女子サッカーの中でも偉大な監督だと思いますので、その方から記念すべき200試合の花束をいただけてすごく光栄に思いました。自分自身も森監督に指導してもらうことで良さを引き出させてもらったり、森監督のおかげで新しい発見があったり、すごく楽しくプレーさせてもらっているので感謝しています」

(ファン・サポーターの前で優勝できたという話があったが、今シーズンの困難な環境の中でも受け入れるために支えてくれたみなさんに対して何か伝えたいことはあるか?)
「新型コロナウイルスの影響があってこういう世の中ですが、まず自分たちがサッカーをやらせてもらう環境を整えてもらったり、リーグを戦えること、さらにレッズレディースはそういう中でもほかのチームよりもたくさんのお客さんに応援に来ていただいて、選手たちは感謝の気持ちでいっぱいです。その感謝を優勝という結果で返したいとチームのみんなが思っていたので、それを今日叶えられて、少しでもファン・サポーターの方たちに笑顔を届けられたのならよかったと思います」

(ドイツから帰国した際に「練習からの厳しさが日本では感じられない」という話をしていたと思うが、レッズレディースにも練習中からの厳しさが出てきたのか、それともそれがなくても優勝できる違う方法があったりしたのか?)
「強いチームは戦える集団だと思うので、球際の強さやそういうところがチームとしてもレベルアップして強くなってきていると思います。森監督も『いい攻撃にはいい守備』ということで、守備は強く行くようにと今日の試合でも言っていました。監督がそういうふうに示してくれるので、選手の中でも守備から入るということは毎試合言っていますし、球際の強さは自分たちの今シーズンの強さを支えていたと思います」

(さいたまレイナスFC時代も含めて個人で3度目の優勝となったが、今年の優勝は少し違った味わいがあったのか?)
「やはり今回の優勝は今までとまた違いました。自分の立場も最年長だったり、歳の離れた若い選手がたくさんいたりしますが、若い選手たちの成長は自分自身の刺激にもなりましたし、それはリーグを戦いながら感じました。レッズレディースが成長していくところ、若い選手が成長していくところに関われて、自分もすごくうれしく思っています」

(去年の終盤もこのまま勝ち進めば優勝という可能性があったなかで2敗してしまった。去年は出ていた選手の中に優勝を経験していない選手が多かったが、優勝へのプレッシャーがあったのか?また今年はどうだったのか?)
「去年は勝ちきらなきゃいけない試合で勝てなかったのは勝負強さが足りなかったからだと思いますが、去年を経験した選手がその経験を生かして課題を改善できたことが、今シーズンのいろいろな難しい試合も勝ち切れたということにつながっていると思います」

(これまではアウェイでの試合や他のチームの結果で優勝が決まっていたと思うが、自分たちのホームで自分たちの結果で優勝をつかむというのは全く違うことだと思う。そのことについての気持ちや手応えはどうか?)
「一戦一戦と言いながらもやはり今日の試合、駒場で決めたいというかなり強い思いがありました。レッズレディースにこれだけ女子サッカーのファン・サポーターがいるということは本当に世界に誇れると思います。そういう方々に支えてもらっていますし、ファン・サポーターと一緒に優勝するという思いが強かったので、駒場で決められて、ファン・サポーターのみなさんと一緒にトロフィーを掲げて喜び合えたことはすごく大きな意味があったと思います」


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