Beleza Match Preview #6

混沌から抜け出す

アウェイゲームとなったちふれASエルフェン埼玉戦から、息つく暇もなく広島へ移動。ベレーザは水曜日に2024-25 WEリーグ クラシエカップ グループステージ 第3節サンフレッチェ広島レジーナ戦に臨んだ。

 

少なからず疲労が影響したのだろう。ボールを保持しても攻めきることができず、さらに27分にはこれまでカップ戦で2得点、リーグ戦でもゴールを決めていた菅野奏音が負傷交代となってしまった。こうしたチームの苦しい状況を救ったのが、代わって入った木下桃香だった。61分、カウンターから眞城美春がドリブルで持ち運び、鈴木陽青木夕菜とボールをつないで後ろに下げる。フリーで受けた木下が右足を振り抜くと、ボールはゴール左隅に決まり欲しかった先制点が決まる。ただ、この直後からS広島Rは温存していた攻撃陣を次々と投入。セットプレーを中心にベレーザゴールに迫られる場面も続いたが、相手のペナルティエリア内で山本柚月が倒されてPKを獲得。貴重な追加点が決まり、これがダメ押しとなった。守備でも、野田になが「リスク管理のところだったり、クロスへの対応だったり、カツオさん(村松智子)中心にディフェンスの意識も高まっていると思うし、声を掛け合ってゼロで終えるっていうところをしっかり意識しているのが結果に繋がったと思います」というように最後まで守り抜いてクリーンシート。ベレーザが快勝で、カップ戦2連勝でグループA首位に立った。

 

ベレーザは日曜日の試合で3連戦の3試合目となるが、力強い味方が戻ってきている。FIFA U-20女子ワールドカップ コロンビア2024で準優勝を果たした5選手が帰国。これまで18人のメンバーを組むことすら難しかったが、その問題も解決されそうだ。

 

今節の相手アルビレックス新潟レディースには、その意味ではアドバンテージがある。新潟Lは水曜日にカップ戦がなく、1週間ぶりの試合。その前節はホームでC大阪との対戦だった。前半、ゴール前の混戦を石田千尋が押し込んで先制かと思われたが、ハンドの判定で取り消されるというシーンもあった。一方で、C大阪の裏への鋭い飛び出しから守備に回る時間も長かった。それでも前半を0-0で終え、勝負の後半。両チームとも決まってもおかしくない強烈なミドルシュートを放つがGKのファインセーブもあり、得点を奪えないまま試合終了。ともに勝点1に終わった。新潟Lは1勝1分で、現在3位につけている。

 

リーグ全体を見ると、開幕戦でベレーザに勝利した三菱重工浦和レッズレディースが、第2節でINAC神戸レオネッサに敗れるなど、まだ2試合を終わった時点で連勝しているチームはない。この混沌とした状況から飛び出すのはどのチームになるのか。それはベレーザでありたい。