28 DF 松永 未衣奈 | 注目選手インタビュー

28 DF 松永 未衣奈 MATSUNAGA Miina

 不測の事態にも、松永未衣奈選手は落ち着いていた。第7節・ちふれASエルフェン埼玉戦のウォーミングアップ中に先発の長船加奈選手が負傷し、急きょメンバーを外れた。この日ベンチスタートの予定だった松永選手が、センターバックの位置で先発出場することとなった。「チームとして勝利を求めている中で、個人としてもこの勝負で勝つということにこだわった試合でした。どのタイミングで出ることになっても変わりません。頭の中は整理されていたので、すべきことをどれだけこなせるか。そして戦えるかだと思いました」。

 雨で難しいピッチコンディションだったが、簡単な失点は避けたかった。ゴール前で事故が起こらないよう丁寧にボールを処理した。「相手はロングボールが多いと聞いていて、バウンドして伸びてしまったら嫌だなと思っていました」。コンビを組む國武愛美選手との良い連携で、セットプレーの1失点以外、危険なシーンは作らせなかった。

 「守備の選手ですが、私は攻撃に特長を持っています。奪った後、どう攻撃につなげるか。決勝点も自分のパスからつながったので良かった」。勝利まであと1点が欲しかった後半アディッショナルタイム。足元の技術に自信を持つ松永が大きなチャンスを生み出した。佐々木里緒選手がDF裏に抜け出したのを見ると、しつこい相手のマークをかわして、左足で縦パスを突き刺した。これを受けた佐々木里緒選手のクロスを佐々木美和選手が決めて2-1。松永らしい攻めのパスがゴールと勝利を呼び込んだ。

 「戦術も積み重ねていますが、それ以前に走るところや球際の強さが自分には足りないと思っています。戦うところで戦わなければ、勝利は簡単に手に入らない。EL埼玉戦ではそれがよく分かったので続けていきたいと思っています」。日々、課題ともしっかり向き合いながら、ここ一番で強みを発揮した。戦う松永未衣奈は仲間と共に連勝を目指す。