アメリカツアー vs Bay FC後、監督、選手コメント

Bay FC戦後、堀孝史監督と伊藤美紀選手が会見に出席し、地元メディアの質問に答えたほか、高橋はな選手、高塚映奈選手、丹野凜々香選手がコメントしました。

【堀孝史監督・伊藤美紀

――アメリカ遠征の最終戦となりました。今日の試合を振り返っていかがですか。
堀監督「試合の立ち上がりのところで特に感じたのですが、このサッカーを取り巻く環境が素晴らしいと思いました。我々も勢いを持って入ろうと思ったのですが、そこのところでやはり強さというのを見せつけられた部分があったなと思います。自分たちも徐々にペースを取り戻しながら試合を運んだのですが、今度は最後のところでのやはりそのホームのパワーというのを感じたゲームになったと思います」

――試合序盤、相手のプレッシャーから早い時間に失点しましたが、想定していた展開だったのでしょうか。
堀監督「おそらくプレッシングというものの解釈に少し違いがあるかもしれませんが、あのときは自分たちが前からボールを奪いに行こうとしてそれを外されてしまい、ゴールの方まで運ばれてしまった失点だったと思います。この遠征で自分たちがテーマとしていたところにハイプレスというのがあって、それをうまく幅を使いながら回避された部分があったので、途中からは、取りに行けるタイミングをより慎重に作りながらゲームを進めた中で、徐々に自分たちのリズムも作れたのではないかと思っています。
最初に相手が我々の攻撃に対してプレッシャーをかけてきた部分も想定はしていましたが、それを少し強く感じてしまいました。もう少しボールやスペース、味方との関係、相手の出方を見て落ち着いてやれればよかったのですが、最初に言ったように、勢いがすごく強かったので、なかなかうまく進められなかったところがあったと思います」

――この遠征でNWSLの3チームと対戦しました。どのような学びがあり、日本に何を持ち帰りたいですか。
堀監督「日本では感じることができない、フィジカル的な強さですとか、スピード、そういうものは、我々が今後、日本のリーグだけでなくアジアや世界に出ていくということを考えた上で、非常に貴重な体験になったと思っています」

伊藤選手「私たちがやろうとしているサッカーとして、後ろからつなぎながら良いポジションを取って、ボールをしっかりつないで攻撃していくことを目標にしていました。このアメリカに来て3試合、強度の高い中でプレーをして、つなぐだけじゃなくて、それに感化されてスピードアップするサイドからのアタックというところでは、今までにないようなスピード感で突破することができて、そこから得点も取ることができましたし、チャンスも今までより作れてきているので、ポジティブに捉えています。日本に帰ってからも、さらに良い質でやっていければいいなと思います」

――今日の試合の雰囲気はいかがでしたか。何か驚いたことや、予想外のことはありましたか。
堀監督「ここだけではなく、アメリカに来させてもらった中で、女子サッカーを取り巻く環境は本当に素晴らしく、アスリートとしての認知度もすごいんだなというのを感じました。今日のゲームは特に、お祭りのように地域の方々が集まって色々なイベントもやりながら、試合のときにはみんなで楽しむ、そういう文化がアメリカの女子サッカーはすごいなと思いました。楽しむだけでなく、試合は当然ハードにやるんですけれども、周りのみんなが楽しんでいるというところが、すごく良いものだなと思いました。日本でも女子サッカーがこうした形で盛り上がるとよいなと思いました」

伊藤選手「まず試合前に国歌を演奏してくださって、アメリカに来て試合前に国歌を歌ったり演奏してくださることにびっくりしたのですが、そこでまずモチベーションがすごく上がりましたし、リスペクトをすごく感じました。その中で、花火などのパフォーマンスもすごくびっくりすると共に、『よし、ここから試合だぞ』という気持ちの高ぶりがあったので、みんないい状態で試合に入ることができたと思います。

さらに、試合をしていく中でも観客の歓声だったりとか、選手やスタッフだけじゃなくて、スタジアムに来てくださるみんなで楽しんで、みんなで試合をしているというところでは、日本も毎試合そういう戦いを全員でやっていければいいなとすごく感じましたし、本当に楽しい試合でした。ありがとうございました」

――伊藤選手は女性を代表して、Bay FCとの試合を含むこの歴史的な瞬間に立ち会っていることをどう思いますか。
伊藤選手「まずこの地域に来て、すごくいい街だなと思いました。そして今日試合をして、こんなに盛大に皆さんが迎えてくださって、その中でみんなとピッチでプレーできたことはすごく嬉しかったですし、レッズレディースの良さをみなさんにお見せできたなというふうに思っています。でも、まだまだ私たちも成長していかなければいけないと感じられたことも多かったので感謝しています」

――最後に、今日対戦したBay FCの印象を教えてください。
堀監督「アメリカのチームは3チームとも、攻撃の最後のところのスピードや強さは共通していたなと思います。その中で、我々がテーマとしていたハイプレスに対して、Bay FCはディフェンスラインの選手、キーパーを含めた幅の取り方やスペースの使い方で我々をすごく苦しめてきたので、そういうところの仕組みをしっかり作られているチームだなという風に思いました」

伊藤選手「3試合共通して言えるのは、本当にスピードを活かした攻撃で、強度の高いスプリントからゴールを奪われるシーンがすごく多かったことです。今日のBay FCは、攻撃においてはまずビルドアップのところで、しっかりと相手を見ながらつなぎ、背後を狙ったり、寄せたところからサイドチェンジをしたりとか、そういう組織的な攻撃をしているなと感じました。

守備も同じように、しっかりセットした状態でコンパクトにしていました。アメリカに来てからは人にマークにつく傾向があるのでスペースが空きやすいと思っていたのですが、Bay FCはみんなでスライドしながらスペースをうまく消していて、お互いに駆け引きをしながら頭を使って試合をできたという部分では、今日はすごく楽しかったです」

高橋はな

――3試合のアメリカ遠征が終わりました。この遠征全体を振り返っていかがですか。
「総じてやっぱりアメリカのサッカー文化というのと、世界を選手各々が本当に感じられたと思うので、そこに関してはチームとしてもすごく大きなこの遠征になったと思いますし、個人としても各々が本当に感じたことがたくさんあったんじゃないかなとすごく思いました。3試合とも盛り上がり方も違うし、サッカーのスタイルも違ったので、本当にいい経験ができたなと思います」

――今日の試合は、相手もリーグ再開最後の試合といことで、非常に強度高く、プレーしていました。その中で戦ってみていかがでしたか。
「最初は、ものすごく勢いを持ってこられて、正直この3試合で一番『あ、めっちゃアメリカっぽいな』と感じました。その勢いにやられそうになりましたし、実際に失点もしてしまいました。でも、やっぱりその後は自分たちも落ち着いて対応することができましたし、ボールを動かしてチャンスを作ることもたくさんできたと思うので、そういう意味でもこの3試合を通じて本当にみんなが成長したんじゃないかと非常に感じます。開幕前のこのタイミングで、最終戦の相手がこういう試合モードでやってきてくれたのも、すごくありがたかったなと思います」

――高橋選手個人としてはいかがでしたか。守備での対応や、チームとして取り組んでいる攻撃面での手応えなど、教えてください。
「個人としては、それこそ本当に世界でやるために普段からトレーニングを積んでいるので、私自身も本当にいろんなチャレンジができた遠征だったと思います。また、代表でやるのとクラブでやるのとでは全く違ったので、本当にいろんな学びがあったなと思って、すごくありがたい経験になりました。チームとしても、みんなが(戦術を)理解して共通認識が本当に高まってきたなというのがあるので、まだまだですけど、ここから私たち自身もすごく楽しみだなと思います」

――クラブのユニフォームを着て、アメリカの強豪チームと戦うというのは、高橋選手にとってどのような経験でしたか。
「いや、もう本当に、私はやっぱりこのクラブで世界と戦いたいとずっと思っているので、その第一歩って言ったら大げさかもしれないですけど、このアメリカの地で浦和レッズのユニフォームを着て試合をして、アメリカのみなさんに私たちのサッカーを見せられたことっていうのは、本当に嬉しかったです。そして、よりこのチームで本当に世界で戦いたいなって思いましたし、だからこそ、もっともっと勝っていきたいなとも思いました」

――この遠征で得たものを、日本に戻ってからのリーグ戦にどうつなげていきたいですか。
「この遠征も、SOMPO WEリーグの開幕に向けた強化だったと思うので、日本に帰ったらまた違った強度だったり戦いにはなると思うんですけど、ここでしっかり感じたものを自分たちは活かしていかなきゃいけないと思います。その中で、WEリーグをもう一回獲りに行くと言っていますから、まずは開幕戦に向けて、またしっかりと準備をし直したいなと思います。この経験をパワーに変えていきたいです」



高塚映奈

――今日の試合、貴重な2点目のゴールを挙げました。チームとしても狙っている形だったと思いますが、あそこに飛び込んでいけた判断も素晴らしかったです。得点シーンを振り返っていかがですか。
「昨日の練習でクロスからのシュートをやっていて、そのタイミング、相手の裏を取りながらどこで前に行くかなどのタイミングを確認した中で、そこを意識していけました。それが(パスの出し手と)うまくタイミングが合って行けたので、良かったなと思います」

――相手よりも一瞬早く触る、すごく際どいプレーでしたが、瞬間のよい判断がなければ生まれなかったゴールでした。
「相手が少し(自分が)裏を取りに行ったときに食いついたというか、ちょっと後ろに下がったと思ったので、そのタイミングで前に出て、琴乃(榊原)がそのタイミングで上げてくれたので良かったです」

――今日は途中出場でした。遠征3試合目で、対戦相手もリーグ再開を間近に控えて非常に強度が高かったと思いますが、その中でのプレーはいかがでしたか。
「そうですね。途中からで、やっぱりその途中から入る難しさをあらためて感じました。守備の行き方だったり、攻撃の流れ、試合の中のリズムに途中から入るという難しさがあったんで。守備が最初の方、(一緒に交代で入った選手と)2人で代わってちょっと崩れちゃったなって思って、相手のリズムにさせてしまったっていうところがあったので、やっぱり途中からというところはそういうところが求められると思うので、そこをしっかり修正していけたらなって思います」

――この遠征でアメリカのチームと3試合戦いました。強度やスピードは元々想定していたと思いますが、実際にプレーしてみていかがでしたか。
「想定はしてたんですけど、やっぱり一瞬のスピードだったりスプリントというところが違ったので、世界の基準として自分がこの経験をできたので、そこを意識して取り組んでいきたいです」

――今回の遠征で得た手応えや、これから日本に戻って開幕に向けてどのように準備していきたいですか。
「今回の遠征で2得点取れたので、そういった得点というところにこだわっていきつつ、やっぱり精度というところをもっともっと上げて。相手を見ながら、味方の動きを合わせながらプレーできるように、開幕に向けてやっていけたらなって思います」



丹野凜々香

――ビハインドの中、味方がシュートを打った後のこぼれ球に詰めた得点シーンを振り返ってください。
「目の前にこぼれてきて、本当夢中で蹴ったって感じで、その蹴った先のボールはもう見てなくて、なんか会場が湧いたので、入ったんだなみたいなそんな感じでした」

――貴重な同点ゴールでした。ご自身でも「数字で結果を残したい」と話していました。
「この遠征でも同じようなポジションの選手たちがどんどん結果を出していたので、だから自分も早く出さなきゃというのはあって。でも今日の試合はそんなにチャンスが全然なくて、なんとか1点と思っていたところでなんとか取れたので良かったです」

――前半は相手の強度も高く、苦しい時間帯が続きました。その中でもチームとしてやれていた部分はありましたか。
「前半は守備の時間が本当にほとんどだったんですけど、その中でもみんなで声をかけて、組織的に奪えたところもあったので、リーグではどんどんマイボールにして、いい守備からいい攻撃っていうのをどんどん増やしていきたいなと思います」

――アメリカ遠征全体を振り返って、3試合を通じて最も印象に残っていることは何ですか。
「1つ1つのプレーで会場が一体となって湧いたり、その逆だったりっていうのがすごいあったので、なんかアメリカでのサッカーの人気をこう感じながらプレーしてすごく日本とは違った、より楽しさがあったなって。会場の雰囲気で自分の気分も上がるとか、その逆もあったりして、すごく楽しいなって。一体となってる感じがすごい、日本ではあまり感じなかった雰囲気だったので、すごく楽しかったです」

――ご自身のドリブルなど、持ち味の部分で通用したという手応えはありましたか。
「そうですね。めっちゃ前にこう(強く)かかってくる相手に対して、その逆を取ったり、相手の勢いを活かしたりとか、なんかそういう考えながらプレーできたのですごい収穫の多い遠征だったなと思います」

――逆に、この遠征で見つかった課題はどんなところですか。
「課題は日本にいたときと一緒でした(苦笑)。周りと合わせるとか、1つ1つ簡単なミスをなくすとか」

――この遠征での経験を踏まえ、いよいよ始まるリーグ開幕に向けて、どんな準備をしていきたいですか。
「このアメリカ遠征でチームの完成度というのは、どんどん上がってきているので、自分も開幕が楽しみですし、早くファン・サポーターのみなさんの前でプレーするのがすごく楽しみです」

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