2025–26シーズン、三菱重工浦和レッズレディース新加入選手記者会見を実施

8月1日、三菱重工浦和レッズレディースが「2025/26 SOMPO WEリーグ」の開幕に先駆け、新加入選手会見をレッズランドクラブハウスにて行いました。会見には工藤輝央スポーツダイレクター(SD)、堀孝史監督、新加入の加藤千佳、榊原琴乃、エスタ マイ キス、熊澤果歩、髙橋佑奈の5選手が出席し、加入への思いや今後の意気込みなどを語りました。
工藤SD

「こんにちは、本日はありがとうございます。今シーズン、昨シーズンにトップチーム登録されていた選手を含め、5名が新たに加わってくれました。
加藤選手はレッズレディースの育成出身で、2つのクラブを外で経験して、戻ってきてくれました。彼女の特長は、攻撃でも守備でもスペースでのポジショニングが良くて、チームの潤滑油になるような選手です。今のサッカーに非常にマッチしていると思って、戻ってきてもらいました。
榊原選手は高校を卒業してAC長野パルセイロ・レディースで経験を積んで、ノジマステラ神奈川相模原でさらに飛躍し、活躍しました。彼女のプレースタイルとしてはドリブルに目が行くと思いますが、本当に緩急のついたドリブルと、パスでもスルーパスや攻撃の貴重なアクセントになるところ、それからノジマのときにはそこまで目立っていなかったと僕は思っていますが、フィニッシュもすごくうまい選手です。直接ゴールというところも期待している選手です。
熊澤選手は高校生で、ユースから入ってきた選手です。埼玉出身の選手でレッズレディースのユースに外から入ってくるケースは少ないですが、その内の一人になります。基本的にはジュニアユースから上がることが多いのですが、それだけそのときに目立っていた、ということだと思います。パーソナリティー的には物怖じしない性格が彼女の大きな武器かなと思います。今も笑顔があるように、そんなに緊張するタイプでもありません。去年初めてキャンプに呼んだときも楽しそうにプレーしていて、そのパーソナリティーで大物になるのではないかと思っています。プレーの特長としては、左足のフィードが武器の一つで、そこは期待しているところです。キーパーなのでシュートストップのレベルは高校生としては高いと思いますし、アンダー世代の代表でも活躍しています。トップチームになるとスピード感などがすべて上がってくるので、これから成長する必要がありますが、期待している選手です。
エスタ選手は、最初に映像を見させてもらったときから目についたのは何と言ってもスピード、抜群のスピードが目につきました。一人で広いスペースを守れる選手でもありますし、サイドで攻撃のアクセントになっているシーンも目についた選手です。最初に話したときにも、彼女のパーソナリティー、人柄がにじみ出るような発言や表情があって、すごくシャイな性格で今日は表情が固いかもしれないですけど、みなさんも接していくと、人柄が分かると思います。実際にチームにはすでに溶け込んでいて、非常に期待している選手の一人です。
髙橋選手は昨シーズンにみなさんの前でプレーを披露しているので、彼女自身の良さは分かっていただいていると思います。彼女の仕掛けは榊原選手と違った仕掛け、リズムを持っているので、攻撃のアクセントになる一人でもあると思います。課題で言えば、フィニッシュワークはまだまだ成長の余地があります。最後にボールを蹴るところは、彼女の伸び代でもあるかなと思います。サッカーは最後にボールを蹴って終わるスポーツなので、蹴る技術、蹴るタイミングは、今シーズンでもっと期待したいと思っているところです」
堀監督

「みなさん、こんにちは。今シーズン、クラブとしてもタイトルを獲得することを目標に掲げて、6月28日にトレーニングをスタートしました。日本でトレーニングを積んでから、先日は13日間のアメリカツアーに行って、アメリカの強豪チームと対戦してきて、帰ってきて昨日からまたこちらでトレーニングを始めているという状況です。自分自身、タイトル獲得をクラブが掲げた中で、全選手の成長も自分の中での目標として持っていますので、いろいろなチャンスをみんながつかんでいってくれたらいいなと思っています。
ここにいる選手たちは新しく来た中でチームに溶け込んでくれていて、海外ツアーを経験することで海外チームの強さ、スピードなどを経験したことは、今後クラブがアジアや世界に出ていく上で、貴重な経験になったのではないかと思っています。今週末にはトレーニングマッチ(非公開)があり、その後の1週間で開幕に向けて、一つでも成長した状況で開幕を迎えられたらと思っています」
加藤千佳

「こんにちは、MF 背番号6の加藤千佳です。他のチームで経験したことを生かして、チームに貢献できるように頑張りたいと思います」
榊原琴乃

「はじめまして、MF 背番号8の榊原琴乃です。自分がボールを持ったらワクワクする感情になってもらえるようなプレーができるように、そしてチームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います」
熊澤果歩

「ユースから昇格しました、GK 背番号31の熊澤果歩です。今までトップチーム昇格を目標としていましたが、また新たな目標に向かって頑張っていくために、自分と向き合って成長していけるよう頑張ります。応援よろしくお願いします」
エスタ マイ キス

「こんにちは、はじめまして。私はエスタです。カナダから来ました。よろしくお願いします。(日本語で)
DFをしています。今シーズンの自分の目標としては、チームとしてトロフィーを掲げることです。日本に来ることができて、そして三菱重工浦和レッズレディースという素晴らしいクラブの一員になれることができて、本当にうれしく思っています。ベストを尽くすことをみなさんに約束します」
髙橋佑奈

「ユースから昇格させていただきました、背番号37、FWの髙橋佑奈です。これまで支えてくださった指導者の方々、チームメート、家族への感謝を忘れず、チームを勝たせられる選手になれるよう、日々全力で取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします」
【質疑応答】
–加藤選手、榊原選手、エスタ選手に伺います。三菱重工浦和レッズレディースというチームを外から見たときの印象と、加入してからについてはいかがでしょうか。
加藤
「以前から、レッズレディースにはとても明るいというイメージがありました。それは全然変わらず、明るいチームだなという印象はあります。違うチームにいて外から見ていたときは、やっぱり強いチーム、勝てないチームだな、という印象がありました」
榊原
「このチームはとても上手ですし、対戦していたときは全員が全力を出して、今まで以上のパフォーマンスをしても勝てなかったチームでした。そこから中に入って、チーム全員の仲の良さがそういうチームを作っているんだなと思いました。そして仲の良さだけではなく、全員が常に自分自身に矢印を向けていて、サッカーに対してすごく向き合っている選手たちが集まっているからこその強さだったんだなと感じています」
エスタ
「まず、オファーを受けたときのチームに対する印象は、勝者のチームであるということでした。本当に多くのタイトルを獲っていますし、それが当たり前となっているチームという印象を持っていました。実際に試合の映像を見ても、本当にたくさんのファン・サポーターの方がスタジアムに来ているということで、それだけ大きな、そして求められるチームなんだな、という印象を持っていました。
実際にチームに入ってからのチームメートとの関係性ですけど、みんなに温かく迎えてもらって、いろいろな話もすることができて、本当にいいチームメートに囲まれたなと、いい歓迎を受けたなという印象がありますし、ピッチの中においても、みんな本当に素晴らしい選手です。同時にチームとして素晴らしいプレースタイルを持っているということで、このようなチームの一員になれてうれしく思っています」
–工藤SDと堀監督に質問します。先日のE–1選手権にも選ばれるような選手も含め、主力選手が抜けた事実がありますが、工藤SDであればチームの強化、堀監督であればチームの強化を含め、新シーズンのテーマとして重視したのはどのようなことでしょうか。
工藤SD
「もちろんオフなので、チームの編成が一番になります。ただ、それはオフの前から始まっていることで、ハーフシーズンが終われば始まる、というのが通常の流れだと思いますし、オフに限らずシーズン後半戦、今年に入ってから進めてきたことです。その中で、いろいろなバランスを考えて今シーズンの編成になった、というところです。
選手の入れ替わり、出入りは毎年ありますし、前に話したところもあるのでそこに関しては触れませんが、1シーズン前から出ていくことが決まっていた選手もいるので、そこに関して早くから準備できたことは良かった点としてあると思います。
そして堀監督が目指すべきサッカーというのはクラブと話をして同じ方向に進んでもらっているわけですが、そういったものを表現できる選手と、あとは日常のトレーニングが週末の表現につながると思いますので、その日常をどのように担保していくか、また育成からどうやってサイクルをつなげていくかも、考えたうちの一つではあります」
堀監督
「チームから離れていった選手が何名かいて、その選手たちとはシーズン中から話をしていた中で、それぞれが新しい環境やチャレンジしたいものを話し、自分たちチームとしては、それは選手が選択するべき、という話の中で離れた選手がいました。そして新しく選手が加わってくれましたが、離れた選手よりもプラスアルファで何かを出せるのではないか、という選手が来てくれたと思っています。チームが進むべき方向はクラブと共有していますし、その中で必要なパートを話しながら進めていって、今回ここにいる5名の選手が新しく入ってくれた、という形です」
–エスタ選手に質問です。ヨーロッパのクラブから日本にキャリアを求めるのは、なかなか珍しいパターンだと思います。どういうところに魅力を感じて日本に行こうと思ったのでしょうか、あるいは元々日本のサッカーに何か良い印象を持っていたのでしょうか。
エスタ
「元々、日本のサッカーに対して非常にいい印象を抱いていました。狭いスペースでもしっかりボールを動かせるところに好感を持っていましたし、自分としてもそういうサッカーに適応することが、プレーヤーとしてより成長するための一つのステップになると思っていたので、このような決断をしました。
それ以外にも、日本の文化に非常に興味を持っていたので、そういった背景も踏まえて、このオファーを快く受けることに決めました」
–堀監督に伺います。昨シーズンに出た課題と伸ばしていきたいところ、そして選手が入れ替わった中で、今シーズンはどういうサッカーをしながら目標に向かって進んでいきたいと考えていますか。
堀監督
「昨シーズンに出た課題は、チームスタッフや強化の方と話をしながら評価してやっていました。やはり最後のところでゴールを奪う部分は間違いなく課題になったと思います。それに対して今シーズンに取り組んでいるところもあります。
また得点することは課題ですが、そこに至るスタイルですとか、全員が共有してゲームを進めていく、そういう基本的なものを少しずつみんなで作れた部分は良かったと思います。それにプラスアルファとしていろいろなアイデアとか、あとは新しい選手が入ってきたことによって何か違ったものが生まれてくるのではないか、という期待はしていますし、こちらで3試合練習試合をしてからアメリカでも3試合をやって、今週末も練習試合がありますけど、いろいろな選手の組み合わせ、違うポジションにチャレンジしてくれている部分があったりとか、いいものができているのではないかと今は感じています」
–具体的に、どのようなサッカーで目標に向かっていきたいと考えていますか。
堀監督
「先ほど榊原選手が言ったように、見ている人にワクワクしてもらえるようなサッカー、それは個人でもそういう部分を作れるかもしれないですけど、チームとしてそういう部分が出せればいいですし、おそらく多くの方は攻撃的な部分でワクワク、ドキドキしたりするのが多いと思いますので、攻撃的なところでのアイデアがたくさん出てくるチームになりたいと思っています」
–工藤SDに質問します。おそらく今シーズンは育成を含めて、見ているみなさんが『新しいレッズレディースらしさ』を意識するシーズンになるかと思いますが、中長期に目を向けたときに、今後どういうサッカーが『レッズレディースらしいサッカー』とイメージして編成を進めて行くのでしょうか。
工藤SD
「昨年もお伝えしたと思いますが、『スペース』ということが一つ大きなテーマになると思います。スペースを共有しなければ個人戦術になってしまいますし、グループ戦術でいかに戦っていくかだと思います。サッカーはいろいろな捉え方がありますが、陣取り合戦でもあると思いますし、日本人の良さはそこにあると思っています。狭いスペースでもボールを動かせる、というのもそうですけど、スペースをどうやって使うか、どうやって作るか、それを90分間どうやってグループ、チームとして表現していくかがやりたいサッカーでもありますし、世界と戦う上ではそれが必要なのかなと思います。個人で殴り勝てるようなサッカーでは限界があると思っていて、実際に今回のアメリカツアーでも、個人でやりあったときに対応できる場面もあれば、持って行かれてしまう場面もありました。フィジカル的なところで言えば、正直、残念ながら差があります。そこでグループで戦うときに、大きなものがオンオフのスペースだと思っています。そういったものも育成年代から身に付けることによって、トップチームでよりパフォーマンスが出せるのではないかと考えています」
–堀監督に伺います。アメリカ遠征での成果、伸ばせたところの手応えはいかがでしょうか。
堀監督
「アメリカのチーム相手でフィジカルの強い中、サッカーなので、そこを避けて通ることはできないと思っています。特に守備の部分では相手に合わせるところももあると思いますので、それは向こうでもトライしていた中で、うまくできたところも多くありました。守備でボールを奪いに行くことに関しては、多く奪うことができた部分もあります。
しかしそこからのところ、走るスピードですとか、そういうところの対応力は、今の時点ではフィジカル的なもので負けている部分もあると思うので、そこを強化していくことも当然大事だと思います。あとはそれをどのようにチームで抑えていくのか、という部分も出てくるのではないかと思います。
攻撃に関しては自分たち主導で行えるところがあるので、相手の強さを出させないような攻撃は、何度もそういう機会を作っていました。その数や頻度を増やすこと、あとは質、その辺に取り組んでいきたいと思っています」
–熊澤選手に伺います。練習では堀監督から『そのトライを続けていこう』と声がかかっていましたが、GKの立場から、今はどんなところにトライしていますか。
熊澤
「今の目標としては、自分の課題でもあるビルドアップの部分や、全体的にレベルがまだまだなので、基礎の部分をまず固めていって、レベルをどんどん上げていくことを目標にやっています」
–熊澤選手、髙橋選手に質問します。ユースから昇格することの覚悟、気持ちの面を伺えますか。
熊澤
「ユースから昇格するということですが、上がれない選手もいる中でユースから昇格したので、プレーでもピッチ外でも引っ張っていって、どんどん挑戦する姿勢を見せていけたらと思っています」
髙橋
「トップ昇格となると見られる立場になるので、プレーの部分でもオフの部分でも、浦和のエンブレムをつけている責任を自覚した行動と言動をしていきたいと思っています」
–エスタ選手に伺います。日本の文化の中で興味を持っているのはどんなことですか。
エスタ
「日本の文化の中で、まずは食べ物になってくると思います。シーフードは少し苦手ですけど、日本には素晴らしい食べ物があるので、食べてみたいです。また、日本には自然を含めて、訪れてみたいところがたくさんあります。あと、個人的には日本の漫画が大好きなので、そういうものには自分からどんどん触れていきたいと思います。マイフェイバリットは『NARUTO –ナルト–』『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『ハイキュー』・・・」
榊原
「『進撃の巨人』も好きです、とのことです」
–工藤SD、堀監督に質問します。得点力の部分で言うと、ストライカーが課題になるかと思います。リーグの中でもあまりいないポジションであり、工藤SDとしてはそこを編成でどのように補っていくかと、堀監督には、昨シーズンのトップスコアラーが高橋はな選手でしたが、彼女は元々DFの選手であり、起用などについてはどのように考えていますでしょうか
工藤SD
「世界中のクラブがいいストライカーを探していると思いますが、そこは個人で解決するか、仕組みで解決するかしかないと思います。高橋選手は中学生のときは前の選手で、そこからだんだんポジションが下がっていってまた前に出て、代表でもそのような形でいろいろなポジションができるようになり、そこは彼女の一つの良さだと思います。
昨シーズンの終盤で言うと、島田(芽依)選手が怪我をして離脱していましたが、島田選手と菅澤(優衣香)選手、このFWの2人いるという考えがまず一つ根底にあります。プラス、個人で解決する選手に来てもらうというよりは、現状は仕組みで解決するところ、チームとしての仕組みづくりを考えています。実際、昨シーズンの終盤では、ペナルティーエリアに入って行く人数はだいぶ増えていました。そこは今シーズンでも期待しているところです。
ただ一方で、まだ移籍のウインドーが開いている状況ですので、ここから人が増える可能性もあります。それはFWの選手かもしれませんし、実際に今動いている選手で、もうすぐ発表できることもあります。なので、ウインドーが開いている限りはまだ前の選手の補強もある、ということはお伝えしておきます」
堀監督
「昨シーズンに関して言えば怪我人が出たことでストライカー、いわゆる9番の選手が少なかったという状況でした。今シーズンでやっているトライに関しては、今、島田選手は普通にプレーできていますし、菅澤選手も非常に調子が良かったのですが、今は少しコンディションを落としていて、今日のトレーニングには参加しなかったという状況です。
他にもその可能性がある選手に関してはトレーニングやトレーニングマッチで試していることもありますし、ストライカーという定義が9番だけに限られるのかと言うと、前線にいる選手のことも自分たちでは全員がストライカー、得点することを意識してやってもらいたいと思っています。9番の選手だけではなく、自分たちの仕組みとして、もしかしたらその選手よりもその他の4人のほうがチャンスが来るかもしれないですし、そういうところに顔を出していってほしいということは話して、実際にトレーニングやゲームを行っています」
–堀監督に伺います。高橋はな選手を今シーズンのキャプテンに指名されましたが、指名の経緯や、どんなところに期待しているかを教えてください。
堀監督
「今シーズンのメンバーの中で、キャプテンとして適任なのが高橋選手だと思ったので、本人に話して、快く引き受けてくれました。選手全員に言いましたけど、キャプテンや副キャプテン、それ以外にも選手の中でいろいろな役回りがあると思います。その意味で、それぞれがチームに貢献できるような働きをしてほしいと話しています。高橋選手はもともとチームの中でもみんなに慕われるとか、レッズレディースの象徴のような存在、人間性も含めてすべてを兼ね備えていると思っていました」
–加藤選手と榊原選手に伺います。特にノジマステラ神奈川相模原は昨シーズンのWEリーグでの対戦で2試合とも引き分けましたが、相手チームとしてレッズレディースを見て、ここが狙い目だったというところがあったのであれば、教えていただきたいです。
加藤
「チームの分析としては、穴というより、しっかり守ろうという感じでした。前から追うのかブロックを作るのか、そのときそのときで違いましたけど、自分たちの守りの徹底が多かったので、ミーティングで『ここが穴だ』という感じのことはなかったです」
榊原
「強いて言うなら、しっかり守った後のカウンターは、昨シーズンのノジマステラ神奈川相模原の強みでもあったと思います。前から行って奪ってすぐカウンター、そこは徹底しようというのがあった中で、運ばれて自陣で持たれるシーンが多かったですけど、分析でいうと、穴と言うよりカウンター狙いでした」
–工藤SDにお伺いします。エスタ選手の獲得にあたっての狙いはどんなところにありましたか。
工藤SD
「半年以上前から準備は進んでいました。前と後ろの選手の獲得を考えていた中で、石川璃音選手が抜けることが早めに決まっていたので、(エスタ選手は)後ろの選手の候補の一人でした。また、エスタ選手がなぜ日本に来たかと言えば、ショルツ(アレクサンダー ショルツ選手)もそうでしたけど、そういうパーソナリティーがないと、短い期間で成功する、チームになじむのは難しいと思います。彼女の日本でプレーしたい気持ち、また彼女の身内も韓国に留学していたという過去があって、日本と韓国に興味があった、というのも大きな要素の一つではありました。来日したときは『NARUTO –ナルト–』のTシャツを着ていて、それくらいのキャラクターだったので、ありがたいと思っています」
–選手のみなさんに伺います。アメリカツアーの感想と、個人的な目標をお聞かせください。
加藤
「アメリカの選手はスピードもあって身体も大きくて、フィジカル的には大変な部分がありました。その中でも自分たちができる部分はたくさんありましたし、それを日本に戻っても続けていきたいと思いました。今シーズンはレッズレディースに戻ってきたので、前と同じではない、成長した姿をみなさんに見せて、優勝したいと思います」
榊原
「自分自身、初めてアメリカの選手と対戦して、スピードとかは想像していた以上のものもありました。海外の選手と対戦したことは何度かありましたけど、そこで体験したことをアメリカの選手相手にも通用するか、というのは自分の中でトライして、通じた部分や課題だと感じた部分が出てきました。課題だと思っている部分は日本でプレーしたときも同じ課題であったので、あと少しでWEリーグが開幕しますけど、アメリカで出た課題、日本であった課題を少しでもなくして、自信を持って開幕できれば、チームとしても個人としてもいい結果につながるのかなと思っています。
個人としては、ドリブルは長所ですけど、ドリブルからいかにチャンスメークできるかを求めて、得点を含めてしっかり結果を残せるようにしたいです。ドリブルの成功率では昨シーズンでトップ5に入れましたけど、次はトップ3、いや、成功率1位を狙って頑張りたいです」
エスタ
「個人の今シーズンの目標としては、狭いスペースでのプレーやボールを使ったチームとしてのプレーで、このチームは本当に素晴らしいものを持っているので、そこにいかに自分が適応できるか、それを伸ばしていけるか、というところです。あとはチームとしての目標は、自分が最後にタイトルを獲ったのは大学時代で、かなり前にさかのぼってしまいますので、もう一度タイトルを獲る経験を個人としてもチームとしてもしたいと思っています。
アメリカでのプレシーズンは、自分が生まれ育った街からかなり近いところで生活、そしてプレーすることができました。久しぶりにリフレッシュするというか、いいフィーリングを持つことができました」
※熊澤、髙橋はアメリカツアー不参加
熊澤
「個人の目標は、まずはWEリーグに出場することです。出場したときには、安定したプレーをどれだけし続けられるかを目標にやっていきたいと思います」
髙橋
「個人の目標としてはクロスの質やラストパスの質をもっと上げて、ゴールを決める形を増やしていきたいですし、ゴールに直結するプレーをしていきたいです」
–選手のみなさんにお伺いします。レッズレッズレディースのファン・サポーターの印象と、みなさんに向けてひと言いただけますでしょうか。
加藤
「レッズレディースのファン・サポーターのみなさんは、まずは数という部分で、他のチームよりとても多い印象があります。対戦するときは、自分のチームの応援よりもレッズレディースの声のほうが大きいかな、とはいつも思っていました。選手はすごく背中を押されるだろうなと思っていたので、共に戦えることがうれしいですし、これからすごく楽しみです」
榊原
「やっぱり数とか熱量はすごくて、WEリーグの中でもちょっと違うとは自分自身も思っていました。そんなたくさんの方が全員味方になると考えたら、心強いです。そういう応援してくれる人たちに、しっかりと身体を張って最後まで全力でプレーしている姿を見せて、最後までみなさんと一緒に戦えるように頑張りたいと思っています」
熊澤
「レッズのファン・サポーターのみなさんは、声がすごく大きくて、自分も試合を運営しているときに、試合に出ていないけど後押しされるような声量、勢いがありました。それをピッチで体験できたら、自分ももっとプラスでプレーできるのではないかと思うところがたくさんありました。一つでも多くの勝利をファン・サポーターのみなさんと一緒に分かちあいたいと思っています」
エスタ
「ファン・サポーターのみなさんの印象としては、最初に見たレッズの試合が(男子トップチームの)クラブワールドカップの試合で、本当にたくさんのファン・サポーターのみなさんが応援に来ていることと、彼らのパッション、熱さには非常に驚きましたし、本当に感動しました。
そのファン・サポーターの前で今度は自分がプレーできるのは楽しみでしかないので、一日でも早くファン・サポーターの前で自分のプレーを見せたいと思っています。ぜひファン・サポーターのみなさんには、スタジアムに来て、自分のベストのパフォーマンスを見ていただければいいなと思います」
髙橋
「ファン・サポーターのみなさんの応援はいつもすごく熱くて、どんなときも支えてくださっています。自分がこのチームで成長していきたいと思った、一つのきっかけでもあります。これから自分はたくさん学んで行く立場ですけど、ピッチでは思い切ってプレーするので、そこに注目して見ていただけたらうれしいです」




