KICK OFF the PLAYERS/安藤梢

2025/26 プレシーズンに取り組む選手たちの今季の意気込みを短く伝える「KICK OFF the PLAYERS」。大きなケガを乗り越え、復活に挑む安藤梢選手が、今季どのような気持ちでシーズンに臨むのか、お伝えします。


 


◆ほどよい緊張感と期待感◆

 

3シーズン前、40歳だった安藤梢は、それまで未経験だったセンターバックというポジションで活躍し、WEリーグのMVPを受賞した。

 

「年齢は(ただの)数字」

 

そのときに発したスピーチの言葉をその後も文字通り体現し、得点を重ねて自身の可能性を示した。しかし2024年1月20日の皇后杯で、大きなケガをし、昨シーズンはピッチに戻ることができなかった。

 

迎える2025/26シーズン、安藤は開幕前の心境を次のように語る。

 

「ほどよい緊張感がある中で、期待感とか楽しみな部分があります」

 

 

◆並の選手とは違う力◆

 

実際、7月15日に行われたノジマステラ神奈川相模原とのトレーニングマッチでは、期待を抱かせるシーンを見せている。

 

右サイドでチャンスになりそうだとわかった瞬間、左ワイドで出場していた安藤は、トップスピードでゴール前に走り込み、クロスに合わせてゴールを決めた。

 

そのスピードは、ケガのブランクを感じさせないものだった。

 

加えて、アメリカ遠征で45分プレーしたPortland Thorns FCとの試合では、要所で巧さを見せ、やはりプレーヤーとしての力が伊達ではないことを感じさせた。

 

「練習試合を含めて、アメリカでは観客が入った中でもプレーできたので、本番の試合の中での力の出し方や調子が上がってきていると思います」

 

安藤自身も手応えを感じているようだ。

 

「今はすごく自分のコンディションにフォーカスできている感じがします。いかに上げるかということにすごく集中できています。状態を上げてくことに集中してる感じがします」

 

そして、チームの仕上がりにも手応えを感じている。

 

「この準備期間で、みんな本当に一つひとつ、監督が求めるものをみんなで作り上げてる感じがして、すごく理解も深まってきてるかなと思っています」

 

 

◆個人へのフォーカスとチームへの思い◆

 

そんな安藤にとって、今季をどんなシーズンにしていきたいのか。そう問うと、アスリートらしい、自身にフォーカスした回答が返ってきた。

 

「まずは自分がよいコンディションでピッチに立って、プレーでチームに貢献したいというのがあります。プレーで見せたいです」

 

だが、それだけではない。

 

「チームが若返っているので、厳しい試合とかも出てくると思います。その中で、自分がいかにチームを引っ張っていけるかだと思っています」

 

クラブからもそうした役割を求められていることは理解している。

 

「自身の経験を伝えていくことは、自分の役目だと思っています。ピッチ内外でしっかりと伝えていかないといけないと思っています」

 

「その中で自分も成長して、チームも成長して、よいものを作り上げていきたいです」

 

◆あくまで自然体で臨む姿勢◆

 

今年、7月9日で安藤は43歳となった。

 

40代に入り、なおもトップリーグで価値を示し続けること。それだけでも尋常ではないことなのに、彼女は大きなケガをも乗り越え、あらたにサッカー選手としての価値を示そうとしている。

 

それは、とてつもないことのようにも思える。

 

だが、安藤は笑顔とともに、まるでそれが日常の習慣であるかのような自然さで話す。

 

「年齢的にも、みんなが大変だと思うんじゃないかと思うので、驚かせるようなプレーをできたらと思っています。そうしたら、いろいろな人に勇気とか元気を与えられると思います。結構、同世代、同年代から声を掛けていただくことが多いので、そういう人たちに力を与えられるようなプレーをしていきたいです」

 

安藤梢。希代のフットボーラーの今季にぜひ、注目してほしい。

(文・写真/URL:OMA)

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