11/22 N相模原戦 Pick Up Player【北原朱夏選手】
2025-11-21
田子夏海、和田麻希、百濃実結香…。今シーズンから就任した松田岳夫監督の下、プレーの幅を広げ、成長を遂げている選手は多いが、北原朱夏もその一人。リーグ前半戦は、第3節から6試合連続での先発を含む全試合に出場。WEリーグ初ゴールを含むチーム最多の3得点と結果も残し、前半戦のMIPと呼べる活躍を見せた。昨シーズンから大幅に出場数を増やし、プレータイムも伸ばした前半戦を振り返り、「ここ2年、自分の中では調子がいいなと感じる時も出る機会は少なかった。3年目になってチャンスをもらう機会も増えて、やり続けて良かったなと。期待に応えていけるように、練習前、練習後も含めてもっと意識を高く持ってチャレンジしていきたいと思っています」と充実感を漂わせる。全体練習後はシュート練習に励み、練習開始前も、誰よりも早くグラウンドに出てボールを蹴っている。「自分はグラウンドでストレッチをやりたいタイプ。ボールも練習前にある程度、蹴って、体を起こしてから練習に入りたい」。そうした積み重ねが実を結んでいるようにも映るが、本人いわく、「努力と思ってやっていません。それが今の結果につながっていたら嬉しいですが、ルーティンみたいな感じです」と笑う。同学年の米田博美によると、「練習だけではなく、家でも筋トレをやっている」練習の虫。バイタリティー溢れるパーソナリティーも特長で、紅白戦では常に味方に要求する声が響き、体全体からほとばしるエネルギーに満ちている。再び米田の言葉を借りると、「出会って9年目ですが、昔からストイックで負けず嫌い。ガッツは人一倍あります」。小柄だが闘争心をむき出しに戦うプレースタイルは、チームでも異彩を放つ。
シーズン序盤にプレータイムを伸ばした理由の一つに、チームが3バックを採用し、ウィングバックにピタリとハマったことも挙げられる。上下動できる豊富な運動量をベースに、元FWとしての攻撃力や突破力、左足でのキックの精度を高い位置で生かすことで、チームに貢献していた。4バックに変わった第8節からは、サイドハーフでは主に百濃と、サイドバックでは中谷莉奈と競争している。ポジションについては、「ウィングバックが自分に合っている感覚はありました」と自身でも話しつつ、「サイドバックとしては、身長がない分、運動量でカバーしようと走っています。松田監督には『守備での1対1(の強さ)が足りていない』と言われていますが、そこは自分でも自覚はあったので、練習中や練習後に1対1をして高めています。サイドハーフで出れば、積極的にゴールを目指してチャレンジしていきたいと思っています」と状況に応じてどちらのポジションでも貢献すべく、柔軟に取り組んでいる。皇后杯2回戦では左サイドバックで先発すると、疲れた様子を見せることなく120分を走り切り、左サイドハーフに上がった延長後半には、積極的な攻撃参加とともに、CKから白垣のゴールにつながるアシストも決めた。3回戦の相手、ノジマステラ神奈川相模原とはリーグ戦では第3節での対戦時に1得点1アシストと結果を残し、勝利の立役者となった。今回の試合でも、その左足からチャンスを生み出すとともに、ゴールへつながるプレーに期待したい。