8/9 マイ仙台戦 Match Preview
2025-08-08
2025/26 SOMPO WEリーグがいよいよ開幕する。セレッソ大阪ヤンマーレディースにとってはWE参入3シーズン目のリーグ戦。1年目は9位、2年目の昨シーズンは7位と着実に順位を上げてきた中、今シーズンはどこまで上位に迫れるか。新たなチャレンジの始まりとなる。
初年度から2シーズン、チームを率いてきた鳥居塚伸人監督が昨シーズンをもって退任。アマからプロに移行する変革期、プロサッカーチームとしての土台を築いてくれた同監督の功績も称えつつ、今シーズン、クラブは新たに松田岳夫監督を招聘。昨シーズンは日テレ・東京ヴェルディベレーザを率いてWEリーグチャンピオンにも導いた名将を招き、チームのさらなる発展を託した。7月に行われた新体制発表記者会見の席上、松田監督は、「選手たちの能力を引き出したい。形にとらわれることなく魅力的なチームを作り、年間を通して成長し、成果を出していきたい」と抱負を述べた。選手編成については、育成組織出身の選手を主体としたチーム作りという基本方針は継続しつつ、新戦力として、アカデミー出身で4年半に及ぶ海外でのプレーを経て戻って来た宝田沙織、日テレ・東京ヴェルディメニーナ、十文字高校、FC十文字Mareと名門チームでキャリアを重ねてきた新井萌禾を加えた。実績十分、攻撃の新たな柱となる宝田、豊富な運動量で攻守にスイッチを入れる新井。1シーズンを通して、両選手がチームに大きなプラスαをもたらすことは間違いない。
開幕の舞台は今季もホーム・ヨドコウ桜スタジアム。過去2シーズン、同スタジアムでの開幕戦を勝利でスタートしているチームにとっては吉兆であり、今シーズンから常時解放されるゴール裏を中心に、桜色に染まった舞台で選手たちの躍動感あふれるプレーに期待がかかる。昨シーズンからの成長という部分では、注目はやはり攻撃。「セレッソらしいアグレッシブなプレーは踏襲しつつ、意図的にボールを動かして主導権を握る」(松田監督)サッカーを実現すべく、始動日から何色にも分けられたビブスを用いてミニゲームを行うなど、選手個々の判断や技術の正確性を高めるトレーニングを続けてきた。もちろん、現時点での完成度は発展途上だが、前線で起点となれる背番号11を中心に複数の選手が連動し、背後から湧き上がっていく迫力あるアタックでゴールに迫りたい。
新戦力がもたらす既存の攻撃陣への波及効果も得点力アップには欠かせない。前を向いた状態での1発の破壊力はチームNo1の田子夏海、周りを生かして攻撃を組み立てつつ、自身もゴールへ向かう田中智子、切れ味鋭いドリブルで相手を翻弄する百濃実結香、サイドで起点を作り、前線に飛び出していく高和芹夏、個性豊かなメンバーが揃う攻撃陣の中で、ドイツキャンプでのトレーニングマッチで得点を重ねた和田麻希も注目の一人。「なるべく多く試合に出て結果を残したい」と意気込む背番号29の台頭にも期待したい。
開幕戦の相手、マイナビ仙台は、最下位に終わった昨シーズンからの巻き返しを図るべく、オフに大型補強を敢行した。中でも警戒すべき選手は矢形海優。もはや説明不要だが、昨シーズンはセレッソで11得点を奪い、チーム得点王にも輝いたストライカーだ。背後を取るスプリントにも長けた選手だけに、その動きから一時も目を離すことはできない。相手として矢形、さらには井上陽菜を迎え撃つ脇阪麗奈は、「バチバチにやり合いたい」と闘志。99年組の同期対決も開幕戦の見どころになる。
試合当日は、来場者の先着3,000名に応援ハリセンがプレゼントされる。この応援グッズを用いて、勝利に向かって激しくプレーする選手たちを後押ししつつ、試合後はナイトゲーム限定演出の「SAKURA NIGHT」の幻想的な景色とともに、勝利の喜びを分かち合いたい。過去最高の結果を求めて挑む、3シーズン目のWEリーグ。初陣は8月9日18時、ヨドコウ桜スタジアム。セレッソ大阪ヤンマーレディースの新たな戦いの幕開けを、ともに見届け、ともに戦って欲しい。
Q:開幕を控えた現在の心境と、チームの仕上がりについて
「プレッシャーがかかる公式戦で何ができるか、やってみなければ分からない、というのが正直な気持ちです。ワクワクもするし、まだ始まって欲しくない気持ちもあります(笑)。仕上がり具合で言えば、目標を4位とか、そういうところに置くのであれば、もっともっと高めていく必要はあります。ただ、開幕の時点で100というのはあり得ないし、試合を戦いながら成長していく、積み上げていくことが重要です。公式戦が始まれば、本当の意味で競争が始まります。メンバーに入る・入らない、試合に出る・出ないという部分で危機感を持つ選手が出てくれば、それがまた選手自身やチームの成長にもつながっていきます」
Q:監督にとってはセレッソでの初陣となるマイナビ仙台との開幕戦に向けて
「チームとしてやるべきことは、少しずつ選手に浸透してきています。まずはそれをゲームの中で出せるかどうか。そして、やってきたことを出してオッケーではなく、それ以上のことを、どれだけ自分たちで積み上げていけるか。当然、勝利はマストです。もがいて苦しんで、勝利を勝ち取ることができるか。スタートの一戦ですが、そこでどれだけプレーや気持ちを表現できるかで、そのあとのリーグ戦の行く末も予測できる、それぐらい大事なゲームだと感じています」
Q:開幕を控えた現在の心境は?
「開幕戦が近づくにつれて、ワクワクしています」
Q:ドイツキャンプを振り返ると?
「チームとして、海外のクラブと試合ができることはチャンスでした。普段はなかなか体感できないフィジカルや速さは実際に試合をして学べたと思います。その基準をWEリーグの戦いにも生かしていきたいです」
Q:チームの仕上がり具合について
「立ち上げた頃に比べると、チームとしてやりたいことや、目的としていることをみんな理解してきて、(練習)試合でも少しずつ表現できていると思います」
Q:開幕戦へ向けた意気込みをお願いします
「WEリーグで試合をするのは自分自身、初めてになります。その試合をホームでできることが嬉しいです。どんな雰囲気か試合当日が楽しみです。初戦なので硬くなるとは思いますが、チーム全体で勝ちにこだわって、自分も貪欲にゴールを狙ってプレーしたいです」