5/10 AC長野戦 Match Preview
2025-05-09
開始早々に飛び出した百濃実結香のゴールで先制し、宮本光梨の嬉しいWEリーグ初ゴールで突き放し、脇阪麗奈の直接FKで試合を決定付けた前節のマイナビ仙台レディース戦から中5日。セレッソ大阪ヤンマーレディースは、今季アウェイでは最終戦となる2024-25 SOMPO WEリーグ第21節・AC長野パルセイロ・レディースとの一戦に臨む。
前節の勝利の結果、C大阪は勝点を23まで伸ばし、WE参入1年目の昨シーズンに記録した21は超えた。「昨年を超えたということは、昨年より成長していると思いますし、確実に力は付いていると思います」とはキャプテンの脇阪。チームとして、選手個々としての成長を数字で示したことは、ひとまずの今シーズンの成果と言える。その上で、残り2試合もしっかり勝利で終えることができれば、順位も最大で6位まで上がる可能性がある。今季の目標にしていた5位以内こそ届かないが、それに肉薄する形でシーズンを終えることは、必ずや来シーズンにもつながっていく。そのためにもまずは今節、敵地でのAC長野戦に勝利し、今季初の連勝を達成し、ホーム最終戦にいい形でつなげていきたい。ホームで対戦したAC長野との第9節を振り返ると、長短のパスを使い分けたビルドアップで相手にプレスの的を絞らせず、良い入りを見せた中で31分、田中智子のゴールで先制に成功。ただし、前半の終盤にビルドアップのミスから崩れて追いつかれると。後半も相手のプレスに屈する形で失点を重ね、1-3の悔しい逆転負けを喫した。前への圧力はAC長野の特長でもあるだけに、今節はその網にかからぬよう、相手をよく見てボールを動かし、背後を狙いながらスペースを突いてゴールに迫りたい。期待はやはり、矢形海優。昨季の同時期に行われたアウェイでのAC長野戦(第20節)では2得点をマーク。相手の背後をうまく取ってゴールを奪っただけに、今節もディフェンスラインとの駆け引きの中から抜け出して、フィニッシュにつなげていきたい。前節の試合後、「残り2試合、何とか1点でも多く取って、暗闇の中の壁をぶち壊したい」とラスト2試合に懸ける思いを語ったが、桜のエースの名にかけて、このままでは終われない。前節は6試合ぶりに先発した田子夏海もフィジカルの強さを生かした収まりの良さを発揮。宮本の得点をアシストするなど、前線で相手に圧力を与えた。矢形をサポートするとともに、自身も第14節以来のゴールを目指す。また、直近の3試合はいずれも遠めの位置から放ったミドルシュートでネットを揺らしている。脇阪、宮本のダブルボランチのキック精度は高まっているだけに、今節も積極的に中盤の位置からゴールを狙っていきたい。
守備では、相手の1トップ、川船暁海の推進力には警戒が必要。1対1のドリブル成功率でトップ5に入っている選手だが、しっかり体を寄せて、ボールを運ばせない守備を心掛けたい。また、高さとフィジカルもAC長野の特長。クロス対応やセットプレーなど、競り合いの部分で負けないことも勝利には欠かせない。守備陣では、前節は米田博美が第14節以来となる復帰を果たした。欠場していた間、「もちろん悔しい気持ちはありましたが、自分の体と向き合って、筋トレを頑張って、復帰した時にちょっとでも強くなろうと意識してトレーニングしていました。試合も見ながら、自分が入った時のイメージもしていました」と振り返る。不在の間は、吉田琉衣や中谷莉奈、1学年後輩の選手たちがCBでプレー。「競争が生まれるのはいいこと。自分ももっと頑張らないといけないと思えました。切磋琢磨し合うことで、練習からピリッとした雰囲気にもなります」と競争意識の高まりを歓迎し、自身のさらなるレベルアップにもつなげていく構えだ。今節に向けても、先発、途中出場に関わらず、試合に出る準備は重ねている。仮にリードした状態で終盤を迎えれば、相手のパワープレーをどう跳ね返すかもポイントになるだけに、CB陣が空中戦で競り負けないことは重要だ。「少しでも隙を与えると失点につながる」(鳥居塚監督)相手に対し、「入りを含めて90分間、集中力を継続したい」(鳥居塚監督)。
今季のアウェイとしては最終戦となる今節。「どこのスタジアムでもアウェイまで足を運んで下さるサポーターの皆さんには感謝しかありません。だからこそ、今シーズン最後のアウェイでも勝利で恩返しできるように、ともに勝利を味わえるように、一生懸命戦いますので応援していただければありがたいと思います」と指揮官はサポーターに呼び掛けた。チームとして、選手個々として、WE参入2シーズン目のラストスパート。「チームとしてやるべきことに加えて、個人のところでの判断やレベルアップも最後まで図っていきたい」(鳥居塚監督)。成長を続けた中で、シーズンを駆け抜けたい。
Q:今シーズンのアウェイ最終戦になる今節へ向けて、意気込みをお願いします
「勝てば一つ上の順位に上がれる可能性があるので、まずはしっかり勝つことを目標に戦っていきたいです」
Q:前期のAC長野戦は、いい入りをして先制しましたが、前半に追い付かれて後半に2失点。今シーズンの中でも、悔しい試合の一つでしたが、相手の特長も踏まえて今節のポイントになりそうなことは?
「(AC長野は)思い切りのいいチーム。積極的に背後に飛び出してくるし、積極的にシュートも打ってくる。自分たちがやることを100%出せれば勝てない相手ではないですが、INAC戦のように、どこかで気が抜けたら、前期と同様にやられてしまう。2ラインをしっかり作って、ゴール前でアプローチをかけられるかも含め、細かいところを90分間やり続けないと、いつ流れが変わるか分からないし、いつ失点するか分からない相手だと思うので、入りを含めて90分間、集中力を継続して、失点ゼロで抑えたいです」
Q:高さがあり、クロスやセットプレーで中に入ってくるパワーもある印象です
「そうですね。フィジカル的にも強い相手なので、球際で勝たないと勝利はできないと思っています。前節の宮本の得点ではないですが、あそこの球際で勝ったからこそ、ミドルにつながった。負けていたら得点にもつながっていない。ちょっとした部分ですが、一つ一つの球際やフィジカルのところ。『全部、勝て』というわけではなく、やられないことも大事。その上で、勝てるところはしっかり勝たないといけません」
Q:攻撃では、相手を見て、しっかりボールを動していくことで、得点を狙っていきたい?
「今までやってきたことを継続しながら、相手を見て、変化に対応できるようにすること。そのためにはクオリティーも必要ですし、受ける前の準備、つながりも必要です。今年はあと2試合ですが、それをどこまで出せるかがポイントになります。(AC長野は)前には強いですが、背後はそこまで強くない部分もあるので。背後をしっかり狙って、相手をしっかり見て判断できれば、自分たちが思ったように試合を運べるのかなと思います」
Q:今シーズン、アウェイにも応援に来て下さったサポーターへメッセージをお願いします
「どこのスタジアムでもアウェイまで足を運んで下さるサポーターの皆さんには感謝しかありません。ゲーム内容に関わらず、温かい声援をいただいて、選手の背中を押してくれていることに、今年も感謝しかありません。だからこそ、今シーズン最後のアウェイでも勝利で恩返しできるように、ともに勝利を味わえるように、一生懸命戦いますので応援していただければありがたいと思います」
Q:前期は悔しい逆転負けを喫した相手ですが、今節に臨む意気込みをお願いします
「(AC長野は)遠くからでもシュートを打ってくるイメージがあるので、まずは打たせないようにすることと、どのタイミングで打たれても守れるように準備したいと思います」
Q:昨シーズンに続き、今シーズンもここまでリーグ戦では全試合フル出場を果たしています。山下選手として、今シーズンを振り返ると?
「やっぱり失点数は多いです。後期が始まって、ちょっとは少なくなりましたが、0-1で終わった試合でも、『あの場面を止めていたら』というシーンはあるので、タラレバになりますが、それを無くしていたら、という思いです。個人として強みにしているクロス対応でも、出れる時は出れるけど、出れない時は出れない、という波もあったので、『ここは絶対に莉奈が出れる』という安心感を味方に与えたいです。今節もクロス対応はポイントになると思うので、しっかりプレーしたいです」
Q:今シーズンはGKの人数も増えて、“質・量”ともにWEリーグ屈指のレベルを誇っていたと思いますが、今シーズンのGK陣の切磋琢磨については?
「ライバルが増えたことで、自分も向上しないと追い抜かれていく。そういうプレッシャーはありました。5人いる中で試合に出続けている立場としては、その分、やらないといけない自覚も増しました。ただ、ライバルであり、仲間として、GK陣全体の絆はどのチームにも負けていない自信はあります。そのGK陣を代表して出ている以上、残り2試合、無失点で終えたいと思います!」