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リーグ再開に向けて――伊藤美紀が語る、進化と決意

2026-02-14

リーグ再開まであと4日と迫った2月11日の午後。

練習を終え、トレーナーに身体のケアを行ってもらった後、伊藤美紀はすぐにインタビュー場所に現れた。

ケアを受けながら、少し眠っていたのかもしれない。目は少し赤みを帯びていた。

だが、口を開くと、いつもどおりの彼女らしい笑顔を見せ、そして、サッカーやチームに関して、多くの言葉で伝えてくれた。

 

「真ん中で崩す」――前半戦の課題を克服へ

 

ウィンターブレイクを経て、約1か月の準備期間。

伊藤は、この期間でチームがどのように変化したか聞かれると、次のように語った。

「前半戦は、サイドからよく点が取れていたんですけど、中央から崩すというのは、少し少なかったかなという印象がありました」

もちろん、どのチームも最もやられたくない中央は固めてくる。

加えて、レッズレディースには、榊原琴乃丹野凜々香、タンチュリエ ローリーなど、優位性を作れるサイドアタッカーが在籍している。

サイドからの攻撃が多くなるのは、当然だろう。

だが、前半戦を見ても分かるとおり、時間が経つごとに、相手も対策を練り、サイドを固めてくるシーンは増えていた。

だからこそ、中央での崩しができれば、もっと優位に試合を進めることができるはず。

伊藤は、中断期間、その伸びしろへの取り組みを行っていたと語る。

「今は真ん中でのコンビネーションも増えたりとか、距離感もすごく良くなってるんじゃないかと思うので、そこはちょっとパワーアップしている部分なんじゃないかと感じています」

攻撃のバリエーションが増えたことで、チームの可能性はさらに広がった。

加えて守備面でも進化が見られているという。

「ポジショニングだったり、全員で守るというところで、チームの決まり事があるんですけど、それがさらに明確になったなという印象があって」

練習でも、選手たちそれぞれが同じ目線を持って声を掛け合ってできている感触がある。

伊藤は、攻守両面で手応えがあることを明かした。

 

「整理された」――リフレッシュがもたらした理解の深まり

 

年末年始のオフを挟んだ期間は、選手たちにとって心身をリフレッシュする大切な時間となった。

伊藤は、その期間が重要な時間になったと語る。

「サッカーから少し離れた時間、少し時間が経ったことで、前半戦で積み重ねたものが整理された感覚もあります。

前半戦で試合をこなしてきて、1回リフレッシュして、ミーティングでもあらためて整理してもらって、練習に入り、頭のところで切り替えることができたという感覚がありました。

加えてもっとこうしたいという、明確な話もチームからあったので、そこもちゃんと整理されてバージョンアップした部分があると思っています」

 

「ゲームをコントロールする」――アンカーとしての役割

 

前半戦、伊藤美紀といえば、いわゆるシャドーのポジションでのプレーが印象的だったろう。

相手と味方、そしてボールの位置から状況を的確に把握し、そのときに最適なポジショニングをして、チームを前進させていく。

監督の堀孝史が提示するサッカーの、いわば体現者の一人として彼女はピッチに君臨していた。

だが、真価はそれだけに止まらなかった。

前半戦の終盤、チーム事情もあり、アンカーでプレーする回数が増えたが、そこでもまた彼女の選手としての“質”、その“妙”が表現されていたのだ。

伊藤は言う。

「シャドーのときは、シャドーでのやり方、プレーがあるんですけど、アンカーになったときは、前線と後ろをしっかりつなぐということと、サイドに振ること、中央につけていくところで、うまくゲームをコントロールするというのは意識しています。みんなの距離感をうまくつなぐ役割をやれればいいかなと考えています」

彼女がアンカーに入った試合、チームの90分を通したゲームコントロール力は、明らかに高まっていた。

伊藤は、ゲームマネジメントについて次のように話す。

「やっぱりどうしても後半になってくると、オープンな展開になることが多かったりとか、ほんとに距離感が広くなってしまう部分があると思うので、前に行きたい気持ちもあるんですけど、狙うところと、ちょっと全体を落ち着かせるところは意識していました」

「それと」と伊藤は付け加える。

「自分がボールを受けなくても、顔を出し続けることで相手が寄ってくるというのはすごく意識してます」

相手をひきつけることで、自分が関わらない前進のルートづくりやボールを保持できるシーンを作り、チームの時間を増やすことを意図的に行っていたのだ。

また攻撃のスタートがセンターバックから始まることが多い傾向にある現在のサッカーでは、センターバックとアンカーに、どのようにプレッシャーを掛けるかが、相手の攻撃を制限する上で、重要な要素の一つとなる。

「前から(守備を)はめに行くとなると、やっぱりマンツーマンでアンカーのところを突きに行く形になります。それは私たちも一緒で、サッカーの戦術としてそういうことが多いんですが、いかにそこで1枚相手を前に出すか、その中で誰が空くかとか、自分がこのスペースに入っていったらここが空くとか、このスペースがあるから誰かが入ってこられるとか、そういうのはすごく考えながら、常に動いていました」

ボールに直接関わるだけではない、彼女のピッチ全体を把握する力が、アンカーではいかんなく発揮されていたということだろう。

 

「コンディションを落とさない」――オフ期間の過ごし方

 

チームは現在2位、勝ち点3差で、首位のINAC神戸レオネッサ(I神戸)を追う。

I神戸との直接対決はないため、リーグ優勝につなげるためには、後半戦は1試合も勝ち点が落とせない。

だからこそ、伊藤は、オフ期間も慎重かつ丁寧に過ごすようにした。

「やっぱりまずはコンディションを落とさないことが大事だなと思っていたので、休むことももちろん必要なんですけど、休みすぎないというのを意識していました」

完全に休むのではなく、適度に身体を動かし続けたのだ。

「やらない期間が長くなるとその分上げるのも大変で時間がかかるので、2日休んでやるとか、ほんとこまめに動いていました。体が動けばほかのことはなんでもできると思っていたので、リフレッシュしつつも、そこだけは意識しました」

さらに、身体のケアにも取り組んだ。

「あとは体の不具合で痛みが出てるところに対しての機能改善のアプローチも心がけてやっていました。でも基本は頑張りすぎないを頑張りました」

そう笑顔で話した伊藤だが、そこには後半戦に懸ける思いがにじみ出ていた。

 

「圧倒するような入り方」――広島戦への意気込み

 

リーグ再開初戦は、アウェイでのサンフレッチェ広島レジーナ戦だ。

広島は皇后杯を制した勢いのあるチーム、と言える。

「優勝しているチームなので、すごく勢いもあると思いますし、チームの雰囲気もすごくよい状態なんだろうなと想像しています。それに負けないぐらいの、さらに圧倒するような入り方が大事だと思っています」

伊藤が強調したのは、立ち上がりだ。

「立ち上がりに圧倒するというのが鍵になってくると思うので、ボールの球際のところもそうですけど、それ以外の走るという強度の部分で、相手にうわっと思わせるのが大事になってくるかなと思っています」

 

「自分たちがやりたいこと」――自信を持って

最後にリーグ優勝をするための後半戦のポイントを聞いた。

伊藤は次のように話す。

「後半戦はもう毎年すごくあっという間なイメージがあって、ほんとに前半戦よりもシビアというか、一戦一戦がより大事になってくる印象です」

「今の立ち位置だともう一つも勝ち点を落とせなくて追いかける状況ですけど、ちょっと油断すると多分それがすぐ入れ替わったり、すぐ離されちゃったりというのがあって、よりシビアな戦いになると考えています」

「だからこそ、ピッチを支配することが、本当に大事になってくると思っています」

前半戦は、各チームが新しいことにチャレンジする時期でもある。

だが、後半戦はその時期を経て、各チームが戦い方を揃えてくる。

「後半戦はよりチームとしてまとまって同じ方を向いて、良い状態、良い雰囲気でピッチの上で戦い続けることが最後にチームに勝ちをもたらすと考えています。

いろんな経験をしてきた中で、まとまっているチームが一番強いという印象があります」

そして、伊藤は次のように話した。

「それはチームとしてやるべきこと、向かうべき先、ピッチで表現することを全員が頭で理解して表現するということ。

それがバン!ってピッチで出たときに、やっぱりほかのチームよりも“違い”や“差”を生むんじゃないかと考えています」


チームとしてのまとまりを表現できれば、おのずとタイトルが近づいてくる、ということだろう。

まずはサンフレッチェ広島レジーナ戦、チームのパフォーマンスはもちろん、背番号5の小さなMFがどのようなプレーを見せてくれるのか。

注目して見てほしい。

(文・写真/URL:OMA)

 

 

 

※この原稿は、レッズレディースパートナーであるStoryHub社のプロダクトを活用し、人とAIが共創して作成させていただいております。
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