Player's Column 長嶋玲奈「全員で戦う」―敗戦を糧に挑む次戦への決意
2026-03-07
練習を終え、シャワーを浴びて着替えた後、長嶋玲奈は、すぐにインタビュー場所に現れた。
チームは後半戦が始まり、3試合を終えてリーグで1勝1敗、リーグカップで1敗。思ったようなスタートをきれなかったという状況だ。
テーブルに着いた長嶋に率直にそのことを聞く。
すると長嶋は、正直に、今の心境を語ってくれた。
「絶対に勝たなくちゃいけない試合だった」

「広島戦は、リーグ再開の試合ということもあり、難しさがあったのは事実ですけど、リーグ優勝を目指す中では、絶対に勝たなければいけない試合でした。結果的に上位のチームも負けたので、勝てば首位を奪えていましたし」
「こういうチャンスを今年は何回も逃してきていますし、再開初戦ということで勢いをつけたいというのもありました」
長嶋は静かに、悔しさを滲ませて話した。
「やっぱり一人ひとりがこのままじゃまた同じ敗戦を繰り返してしまう、というのを重く受け止めないといけないと感じていました」
広島戦後は、選手たちが自発的にミーティングを開いたという。
一人ひとりが自覚して練習からもっとやろう。
若い選手たちがのびのびプレーできる環境を作りながら、厳しい言葉も掛け合っていこう。
そうしたことを確認した。
その結果、というわけではないが、AC長野パルセイロ・レディース戦ではきっちりと攻守の形を見せて大勝する。

だが、その後、迎えたクラシエカップのアルビレックス新潟レディース戦では、早いタイミングで複数失点し、後半はよいところを作れずに敗れてしまう。
長嶋は振り返る。
「あの試合に関しては、一人ひとりが戦術どうこうではなく、絶対に気持ちの部分でもっとやらなければいけなかったです」
長嶋はDFらしく、前半で3失点をしてしまったことを反省しつつ、だが、それよりも改善しなければならない点として、姿勢の部分を挙げた。
「負けていた中で、何ができるか、というところで、走ること、戦うこと、戦術どうこうではなく、もっとできた部分があったと思っています」
そして、続けた。
「選手全員、優勝したいという気持ちは絶対にあると思います。
でも、目の前の一戦一戦を戦うというのは、監督を含め、全員が言っているところであって。やっぱり、日ごろの練習で甘い部分、徹底しきれていない部分があったのかもしれません。そこが出てしまったのかなとは感じています」
「声をかけても、伝えられなかった」

新潟L戦のあとは、どんな気持ちだったのか。今季、副キャプテンとしてプレーする長嶋は自身に矢印を向ける。
「周りから見ていても、自分がコートの中に立っていても、もっとやらなくちゃいけないというのはすごく思っていました」
負けている中で、若い選手たちが入ってきた際に、十分なサポートができなかった。もちろん、プロリーグに立つ選手として、個々がもっとやってやろう、逆転してやろうという気持ちを見せられればよかったと思う。
だが、一方で、長嶋はやはり自身について言及した。
「自分自身、それをサポートできなかったですし、変えられなかった。声をかけてもそれを伝えることができなかったというのが、すごく悔しかったです」
試合前日のセットプレーの確認の際、こんなことがあったという。
「堀さんが、チーム全体に『今日は声が少ない』と言っていたんです」
いま、思えばアラートを出してくれていたのかもしれない。代表活動で離脱している高橋はなの影響もあったろう。
だが、だからこそ、「自分がもっとやらなければいけなかったというのはすごく思いました。先週の試合でもそれは痛感したことです」
練習どおりの形が、ゴールにつながる

一方で、この3試合、悪かった部分だけではなかったろう。
AC長野戦の1点目は長嶋からのアシストだった。(※最下部に映像あり)
あのシーンは、後ろに誰かが走ってきていることを感じてスルーをした島田芽依、その裏でボールを受けてゴールを決めた加藤千佳、長嶋にボールが到達する時点で、複数の選手が同じ絵を描き、生まれた得点だった。
敗れた新潟L戦でも、一時同点に追いついたゴールは、相手の守り方の状況を感じ取った選手たちが、相手の逆を突いて奪った素晴らしいゴールだった。
「昨シーズンから、堀さんになって、このプレースタイルをやっている中で、点になっていなくても、練習でやっているものがすごく出ていると思います。得点になるシーンはやっぱり練習でやっている形がすごく多いです」
クロスからのシュート、中央からの崩し。ゴールのバリエーションが多彩になっている実感がある。
「後ろから見ていて、『あ、これは練習どおりだ』と思ったり、後ろから見ている姿がすごくうまくはまったときは、すごく楽しく見られるんです。レッズレディースのプレースタイルの幅が増えたというのは、すごく感じています」
長嶋自身、遠いところを見ながら、相手の守備の狙いの逆を付いたパスで、得点につながるシーンを演出し、文字通り、攻撃の起点となっている。
「もちろん、ちゃんと狙って見えているときもありますし、やっぱり練習でやっている中で、『ここに走ってくれているだろうな』で出している場面もあります。それはやっぱり練習でやって、積み重ねた成果が出ているんじゃないかなと感じています」
きれいさと泥臭さのバランス

その上で、いま感じている課題についても長嶋は話した。
「やっぱりサッカーは得点を決めるスポーツなので、きれいに崩す部分が楽しいんですが、きれいにやるだけじゃ勝てないんですよね。ある程度泥臭いゴールでもゴールはゴールですし」
それは守備でも一緒だろう。戦う、走る、そうしたベースの部分をおろそかにしては、勝てるものも勝てなくなってしまう。
「そこは難しいんですが、きれいにやる部分と戦うところ、そういうバランスをしっかり考えてやれれば、もっと強いチームになれると思っています。そこは、今後の伸びしろですね」
その上でやはり日々のトレーニングについて言及した。
「やっぱり練習から強い強度でみんながプレーしていたら、試合でもその強い強度に対して、剥がせたりできると思うんです。日ごろの練習で、自分も含めですけど、もう1個強く行くだったり、もう1個寄せるだったりっていうのを、全員が意識して取り組めたら、試合でも怖がらずにプレーできるのかなと思います」
N相模原戦に向けて

次戦は、クラシエカップ、ノジマステラ神奈川相模原戦だ。
残り3試合、グループ首位のセレッソ大阪ヤンマーレディースとの直接対決を2試合残している現状は、3連勝してグループステージを終えられれば、自力で準決勝に進むことができる。
そのためにも、N相模原戦は非常に重要な一戦だ。
「ノジマのアウェイは、すごく風が強いイメージがあります。何年か前かの試合でも、前半すごく大量得点を取れたんですが、後半ずっと押し込まれるみたいな厳しい、つらい試合がありました」
「前半だけじゃなく、やっぱり1試合を通していい試合展開にできればなっていうふうには思っています」
90分のマネジメントの重要性。その上で、最重要課題として長嶋は次のようなものを挙げた。
「難しい試合になってくると、その試合の後半は特に戦術どうこうじゃなくなってくるというのを感じています。1試合を通してやれるのが1番ベストですけど、やっぱり最後、そうした状況になったときは、どれだけ走れるか、どれだけ気持ち見せられるかというのが1番大事です」
「やっぱりシンプルに、戦うという気持ち、先週の敗戦を含め後半戦であらためて気付けたことなので、ここまでの敗戦を無駄にしないように、みんなが絶対に勝つという強い気持ちを持って、途中から入ってくる選手も含め、全員で戦わなくちゃいけないと思います」
長嶋はそう決意を口にした。
グループステージ突破に向けて、一戦も落とせない状況で、背番号13のDFをはじめ、チームがどのようにリバウンド力を見せられるか。ぜひ、注目して見てほしい。
(文・写真=URL:OM)


この記事は、レッズレディースパートナーであるStoryHub社のプロダクトを活用し、人とAIが共創して作成させていただいております。
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