4/12 大宮戦 Pick Up Player【米田博美選手】
2026-04-11
クラシエカップのグループステージ突破を決めた第5節の三菱重工浦和レッズレディース戦。前半38分、セットプレーのセカンドボールの流れから、宝田沙織のクロスをニアで高和芹夏がスルーした先に待っていたのは米田博美だった。「ボールが来たら決める準備はしていました」。ゴール前に残っていた背番号3が見事ゴール左スミに流し込んだ。その一つ前、第4節のアルビレックス新潟レディース戦では、同じくセットプレーの流れから、宮本光梨のクロスに四本帆夏がヘディングで合わせてネットを揺らし、決勝点。ノックアウトステージ進出を手繰り寄せたアウェイ2連戦でゴールを決めたのは、2人のセンターバックだった。もっとも、米田は四本の台頭により、シーズン中盤はCBのスタメンから外れ、右サイドバックでプレーする時期もあった。「悔しい気持ちもあったことはありました」と当時の心境を振り返りつつ、「その中でも自分ができることを精一杯やろうという気持ちでした。サイドバックで出たとしても、途中から出たとしても、やるべきことは変わらず、自分ができることを全力でやろうと思っていました」と語る言葉は本心だ。そうした中で、今年に入り、2024年のFIFA U-20女子ワールドカップでもCBでコンビを組んだ“相棒”の白垣うのが海外へプレーの場を移した。空いた穴を埋めるのは、米田しかいなかった。ウインターブレイク明けの3試合目、クラシエカップ第3節・ノジマステラ神奈川相模原戦で公式戦4試合ぶりにCBで先発すると、一時はCKから同点に追い付くヘディングシュートを決めた。その第3節・N相模原戦から前述の第4節・新潟L戦までの1週間が、チームにとって、転機となった。ウインターブレイク明けは守備で緩さの見られたチームが松田岳夫監督の連日に渡るミーティングも含めた指導もあり、より人に強く行く姿勢を取り戻した。「勝ちたい気持ちをプレーで表現することが改めて大事だと思った。自分自身、出しているつもりでも、まだまだ足りない部分があった。勝ちにこだわる姿勢はもっと出していかないといけない」。新潟L戦の勝利で取り戻した自信も胸に臨んだ冒頭の浦和戦は、「勝ったことがない相手というイメージではなく、自分たちのプレーを発揮して、『絶対、勝つ』という気持ちを表現したい」と話して臨んだが、まさにそうした強気なメンタルが、WE参入後、浦和からの初勝利につながった。
「センターバックとして声をかけないといけない場面はたくさんあります。プレーの指示の声も必要ですが、『決める時は決めないといけない』とか、要求する声、厳しい声、チームを締める声も出していかないといけないと思っています。劣勢の時こそ落ち着いて冷静に声をかける部分もあれば、時には熱く要求する部分も必要だと感じています」。1戦ごとにディフェンスリーダーとしての自覚が増していったクラシエカップ。持てる力を発揮するメンタルの部分で成長を遂げた大会になっているとも言える。その集大成となるラスト3試合。ファイナル進出を懸けた準決勝の相手はRB大宮アルディージャWOMEN。代名詞である縦に速い攻撃は、WEリーグ屈指の破壊力をもつ。特に相手2トップとセレッソ守備陣のマッチアップは試合の行方も左右する大きな要素となる。ただし、そこに気負いはない。「対戦にワクワクしています。自分たちが抑えたら勝てる。しっかり抑えたい」。時折、笑顔も覗かせながら、この試合に向けた意気込みを話した。優勢な展開、我慢の時間帯、スコアが動く瞬間…。試合の中で訪れる様々な局面で、冷静に、特に熱く感情を発露させ、チームを決勝進出に導きたい。